グラッド
グラッドが他界した
最期は大きく息を吐くようにして天国に行きました
15歳と9ヶ月でした
様子がおかしいとすぐに母が気づき
ビデオ通話ですが家族全員で見送ることが出来ました
グラッドはもうどこにもいない
その事実をまだ受け止めきれなくて
日に日に増す悲しみと寂しさに耐えながら
勝手に時間ばかりが過ぎていく
最期までおりこうさんだったグラッド
いつも心穏やかで日だまりみたいな性格だった
グラッドへの気持ちはどんな言葉にも喩えられず
ただ空を見ては祈るばかりです
今もグラッドがくれた、たくさんの温もりは
奥底から心をずっとずっとポカポカにしてくれる
これからは夢の中で遊ぼうね
2021.1.28
いい日
台風が去り今までの雨雲も連れて行ってしまったのか
晴れた日が続いている
今年の夏はやけに暑く感じて
どこかに行くこともなく
ようやく雨が秋を連れて来たなと感じている
翌日が休みだったので朝日を見に行くことにした
夜に車を借りて千葉の南端を目指す
何度か訪れたことのある、お気に入りの海
深夜3時過ぎに到着、
これでもかってくらい星がたくさん見えた
全然星座に詳しくないので今度は図鑑を持って行きたい
波の音と夜釣りをする人のちいさな会話の中
数分に一回、シャッターの音が響く
久しぶりに人工衛星を見た気がする
（後日、現像して見てみると失敗した写真の中に
流れ星がひとつ写っていた）
夜明け前の曖昧な空と
それから太陽と共に金色に輝く水面と…
全部が本当に美しかった
その景色の中でおにぎりを食べたときが
一番幸福な時間だったかもしれない…！
過酷な旅でしたがとても楽しかった
帰宅してからは翌朝までほとんど寝てましたが
良い休日だった
2021.9.24
由仁のばあちゃん
ばあちゃんの米寿祝いをした
会うのは2年ぶりくらいだった
去年、あんたもばあちゃんもきっと大丈夫だから
会いに来てって何度も電話で言われた
弱ったなぁと思いつつうれしいから
会えない代わりに手紙と、手焼きした写真を贈った
手紙の返事は隙間がないくらいに
体調に気をつけなさいよとか
飼っている猫がかわいいだとか書いてあった
あんなに恐かったばあちゃんの印象はガラリと変わり
知らず知らずの間にずいぶんと小さくなったようだった
久しぶりに会ったばあちゃんは
同じ話を何度もするようになっていた
なかなか会えないから
離れててもこれを見てばあちゃんのこと思い出してね、と
何十年も身につけていた指輪をいただいた
うれしいけど照れくさくて
きっとくれたことも忘れちゃうかも、なんて言ってしまった
少し大きい銀色の指輪
宝石がついていて余計にきらきらしている
大切にしていきます
これからもどうか身体に気をつけてね
2021.6.15
ほんのり赤く
帰り道、自転車で駆ける少年とすれ違った
肩には天体望遠鏡を担いでいた
そう言えばお昼に
今日は皆既月食だよと連絡があった
スーパームーンで皆既月食なのは二十数年ぶりだそうだ
普段より人通りが多く
空ばかり気にしているようだった
どことなく、まちが浮き足立っている気がした
予報の時間に空を見上げてみたけれど
薄らと雲がかかってしまっていた
どことなく雲が赤く染まっているように見えた
2021.5.25
穏やかな日々の予感
近所では子どもたちが遊んでいるし
公園ではおじいさんがお昼寝をしているし
少し不便なところに引っ越してきたけれど
夕方、部屋にさす西日によって
窓辺に置かれたガラクタたちが輝きだすのを見てると
穏やかな日々が訪れる予感がします
2021.3.31
雪の降るまち
先日、仕事で帰省をした
東京はすでに春の陽気で
ここと比べたら20度以上も気温が違う
実家は丘の上にあって
だからなおさら寒い
夕方にグラッドと散歩をした
ギュッギュッと歩くと音が鳴る
雪がまわりの音を吸収して
聞こえるのは自分たちの足音だけ
静寂とはこういうことだなと感じた
2021.3.2
春
上京して一番平和な一日を過ごした気がする
植物園へ行って来た
これはなんだろうとゆっくり花を観察したり
池にいる亀を数えたり
すごくのんびりと過ごした
園から出てもしばらくは歩く速さが戻らず
それはそれで良いなと思った
久しぶりに日光をたくさん浴び
心身ともに健康的な一日でした
とても温かな気持ちです
2021.2.23
透明な
熱帯魚を飼っているのですが
新たにトランスルーセント・グラスキャットという
種類のお魚が加わりました
性格が穏やかでナマズでは珍しく群れで過ごすらしい
2匹、大きいのと小さいのがいつもくっついています
透けていて骨が見えるのです
その姿が美しく、標本みたい
2021.2.6